方舟
「まさか…。」
そんな結末が待っていようとは予想だにしなかった。
方舟/夕木春央 著
読み終えたあと、恐ろしくて…
なかなか寝付けなかった。
夜中まで読んでしまったゆえ、この時点で睡眠時間は残すところ4時間。
明日の自分の為に一刻も早くこの上ない深い眠りにつかなくてはいけないのに…。
寝れん。
怖い。あまりにも怖いラストと夜中の暗さが相まって、更に怖さに拍車がかかる。
思わず部屋のスタンド灯りを少し強めに朝光し、主人が寝てるのもお構い無しにつける。
そうすることで一旦暗闇から脱出を試みる。少しでも今の恐怖から距離を置きたくてたまらなかったのだ。
が、明るくした所で余計に寝れん。
横でグースカ寝てるところ、ほんまに悪いねんけど
主人をゆり起こす。
「あんな…。怖くて寝れんわ。」
眠気眼にも関わらず一生懸命ストーリーを聞いてくれる。
あまりにも恐ろしいその顛末までを一通り披露し終える。すると少し気持ちが落ち着いた。
恐怖を共有してくれる人がいると少しそのかさが減るのだろうか。
部屋を再び暗闇にしても、今ならようやく寝れる気がする。
いや、寝なくてないかん。
明日も容赦のない諸々が仁王大立ちして待ち構えている。
散々付き合わせたあとはいつのまにか主人の就寝を確認することも無く寝ていた。
翌日の朝はとてつもなく起きにくかった。早く寝なかったことを後悔しつつ、恐怖とは何かを思った。
恐怖から殺人。
恐怖からの理不尽。
恐怖は自分勝手。