母
青木さんの本を初めて読んだ。
彼女を漢字一文字で表すと “怒” が頭に浮かぶ。
キレキャラの芸風そのまんまのイメージ。
青木さんの本を読んでみようと思ったきっかけはとある記事から。
実母との確執について語られていた内容に、彼女の芸のルーツを垣間見た気がした。
怒りとはいわゆる第二感情であり、怒りの前に発生する感情に引っ張られる形で、怒りとしてあらわになってくるものだと思う。
怒りのマグマで溺れてしまうとき、わたしの場合は大抵の第一感情が悲しみだったりする。
わかってもらえない…わかりあえない…の内側に潜むそれでもわかってほしい。自分から気づいてほしい。助けてほしい…。なんで?どうして…。
それらが第一感情に湧くことが多い。
そこからもうーなんやねん!の怒りに到達するパターン。
青木さんの第一感情には、母との関係性からる寂しさ、承認要求からの怒りなんじゃないかと…。
感じた。
壊滅的な母子の関係からどのようにして和解に辿りついたかのプロセスは細かに書かれてはいなかったけど。
彼女の挫折と成功と孤独と娘さんへの愛が詰まった本だった。
成功したらこの孤独がなくなるかと思ったら、お金は増えれば増えるほど、有名になればなるほど増していく孤独。
華やかな世界に身を置く人ならではの葛藤。
正直な所失礼ながら、あまり期待せず興味本意で選んだ本だった。取り立てて彼女のファンでもアンチでもない。
何にも読む本が無くなった時用にに読もうかな?とリビングに平積みされていた一冊だった。
だけど、一度手に取るとパラパラとページをめくる手が止まらない。気づいたらキッチンのお鍋の前で貪るようにあっという間に完読していた。
それはこの本が面白かったという証拠だ。
グッときたところは、シングルマザーの道を選び、新たな住居に引っ越したその先で出会った家族からの
「わたしたちが味方になる」の一言。
母子の確執を知るはちゃめちゃな先輩芸人からの
「親孝行は道理だから」の一言。
読後考えたのは母子の関係性が大きくその人の人生観にかかわるのだということ。
自分のルーツだもの。当然といえば当然なのだ。
娘を2人持つわたしは娘からみてどんな母なのだろう。
娘たちの人生観に希望を与える母でありありたいと願う。