夜の時間
クーラーをつけながら、窓を網戸にして大胆に開ける。
これをわたしの中で贅沢づけと呼んでいる。
クーラーの冷風と自然の風を感じる窓辺での1人時間。
冷えすぎず、暑すぎない。快適な室温。
目の前の窓から見えるのは、黒色の広い空。
わたしの中の究極の癒しの時間。
リビングでは皆がガヤガヤしている。
家族みんなが集まるその輪から1人スーーっとノーコメントで外れて自室に篭る。
こうして極たまに、みんなと足並みを合わせず1人別行動をしたくなる。
そんな事が許されるのは子どもたちがずいぶん大きくなったからか。
1人になって考えたいことが多い。
読みたいものが多い。
書きたい事が溢れる。
今日を振り返る。
心を痛めながら、その痛みにこれまた塗り込まれるような悲しき追いうちを思いだす。
その気持ちに折り合いをつけたかった。
いつもポジティブ!感謝!感謝!なんて…
無理やり良い想念で自分を満たそうとしても、無駄だどいうことは嫌というほど経験済み。
そんな時は一旦、とことんその痛みを消化できるところまで鬱積した思いを書き出す。そしてじっくり味わう。
味わい尽くして感情を冷静に傍観する自分が現れたらそっと思考を止める。
大きく呼吸を繰り返し自分の心を鎮める。
ポイントは誰の手も煩わせない。誰かに機嫌を察知させない。
自分の中で発生から消化まで担うこの方法を取得してから、ずいぶん安定の時間が長くなった。
それでも怪しい雰囲気になりかけたときは早めに対処。
嫌なことが、続いてしまう。生きてたらそんな日がたまーにやってくる。
まさに今日。
早めの対処を要するタイミングがやってきてしまったのだ。
拒否反応からなのか、今日の起き抜けからして、目の様子がおかしい。
二重幅が2.5センチぐらいになっていた。その様からも体が何かを拒んでる感じする。
今日のメイクはどうしましょう。
ガチャンピンみたいな目をした鏡に映る自分をみて困ったな…。
4ヶ月ほど前からノーファンで主義に路線変更を果たしている。
その代わり目元、口紅だけはポイントメイクを欠かさないように最後の乙女心を繋ぎとめている。
ガチャンピンの目にどう考えてもアイメイクは不要だろうという事で、今日は4ヶ月ぶりにファーデションが登場した。
心が冴えないときはせめてもの抵抗で、服や靴、身なりだけは特に気分の上がるものを必ず設定する。
どーにかこーにかやり込めるようにいろんな対処を駆使して今日最後の気持ちはうん。大丈夫だ。
そこまできってそっと家族の一員へと戻る。