夏休みスペシャル

「今日はもう、夏休みスペシャルやから。」

 

子どもたちが夏休みに入って早くも2週間が経過。

 

我が家では、夏休みスペシャルのワードが乱用される日常を過ごしている。

 

ちなみに夏休みスペシャルとは何かというと、

夏休みだからという特別感をだして、かまける技なのだ。

 

そのパワーワード出してきては作るんしんどい…から

「夜ご飯は外でサッと外で食べよか!」

「夏休みスペシャルや」

 

せっかく夏休みやし、

「これ買っちゃおうか!」とあまり夏休みと関係ないものを買う言い訳にスペシャル感を出すことで、罪悪感を和らげたり時に用いるのだ。

 

それらが夏休みスペシャル。

 

結構大人の都合で我が家で繰りかえし乱用される夏休みスペシャル。

 

今日はわたし、仕事が休みだった。

休みめを狙って母と妹家族からプールのお誘いを受けた。わが子を引き連れて今年初プール。

 

世界水泳にまんまと感化されて、泳げる気分だけを引っさげでしこたま泳いだ。

気分を大いにしめてるもんだから泳ぎだけでは、飽き足らずシンクロしようと足を水面から出しては鼻に入ったーーと大騒ぎしてそれはそれはプールを堪能し尽くした。

 

帰りがけに母から、

「お昼どうしよ?」朝から全力でプールを楽しんだ我々はみな腹ぺこ。

 

「えっ!」

「その辺の、ファミレスとかいく??」

「中華?」

 

1歳児、幼稚園、小学生、中学生を引き連れてる私らにその辺が妥当だろうか?

と思っていたその時…

 

母から夏休みスペシャルにふさわしいワードが飛び出す。

「ステーキにするか?」

 

何?! ステーキ

 

今ピークにお腹がへっている。シンクロまがいの無駄な動きで、散々体力を消耗した私たちに最高のランチの提案。

 

母からまさかの夏休みスペシャル。

 

店に着くなり子どもらに

「ラッキーやな!」

「昼からステーキやで、夜はもういらんな」

 

(実際、子ども達はどんなにたらふく食べても3食を死守するんだけどね…)

 

ステーキが目の前に登場するやいなや、

長男が

「今日も夏休みスペシャルやな!」

「てか、夏休みスペシャルめっちゃ多ない?」

 

バレたか…。

 

そう既に夏休みスペシャルのカードは使いまくりもいい所。

 

この調子でひと夏を過ごしてしまうとものすごくいけない人間になそうだ。

 

そろそろホントのスペシャルな時以外は封印を誓いたいところだが、

明日は、淀川の花火大会。

 

夜とはいえ、子連れでこの暑さの中人混みに挑む気力はない。

 

そこで花火がベスポジでみれる妹宅から親族らと集まって鑑賞することになっている。

 

妹から、

「明日さ祭りにはいけないからさ、

家で祭りの屋台しよー」

 

なんそれ!

また、夏休みスペシャルやん。

 

ハワイに行かなくても、楽園に行かなくても少なく見積もっても今のところ最高

2023年の夏。

立ち直る力

今週の本。

 

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まずは、【立ち直る力】

本書は、そのほとんどが作者の辻仁成さんから息子さんに向けて書かれたもの。

 


「息子よ。」という冒頭の呼びかけを、外したら不特定多数の人への書物になるという発見から出版に至った本。

 


辻さんと言えば学生の時に読んだ冷静と情熱の間が初めての辻さんの作品との出会いだった。

 


時々テレビでお見かけする辻さんからあんな切ない本が生まれるのかと不思議だった。

 


映画に思いっきり引っ張られ竹内豊みたいな人が書いてるような気になっていたのだ。

 


わたし的あるある。

名前しか知らない作家さんの顔を初めて見た時だいたいあっ、こんなお顔なんだ! イメージとかけ離れていることが多い。

 

 

 

作家さんをその作風から勝手にイメージしてしまいがちから起こる現象。

 


それからも時々、私生活でテレビを賑わす辻さんを見るたび思ってきた。

あっ、あの情熱〜の辻さん今度はこんなことになってるのねと。

 


顔を認知してからも長らく、あの冷静と〜の辻さんだったが、ある時を境にわたしの中で大きく変わることとなった。

 

 

 

きっかけは、テレビの密着。

父と息子2人きりのフランスでの父子家庭の生活様子を見てから。

 


料理がうまい。家族に対しての一手間を惜しまない。それだけでも愛の深い人なんだと関心した。だから冷静と情熱の間が書けるんだ。と、合点がいった。

 


テレビに映る辻さんは、アーティストでも作家でもなく、ただ一心に息子さんを愛し守る1人のお父さんだった。

 

 

 

それからテレビの中で辻さんをお見かけする時、あっ! あのフランスで息子さんを大切にされてる辻さんになった。

 


そこにきてこちらの本を読んだものだからやっぱり息子さんへの愛を確信した。

 


作中のなかでわたしが一番好きな話が、“そのためのカップラーメン”とう短編である。

 


本書はだいたいが辻さんから息子さんへの語り口になっている短編なんだけだ、その話しは息子さんから発せられる言葉で始まる。

 


パパ、1日中家にいて掃除やご飯ばかり作ってばかりはダメ。

たまには飲みにいって。

日曜日までこもって家事をする辻さんを労って、そのためにカップラーメンがあるんだからみたいなことを父に向かって言う息子さんとの素敵なやりとりからなる短編。

 


普段からきっと手料理を頑張って振る舞ってるからこその息子さんの発言なんだなと思う。

いい話じゃないかとジーーンとする。

 


この本には他にもジーンが溢れている。

 


それは何度も立ち直ってきたんだろことを察する

辻さんの言葉が詰まっているから。

 

 

 

親から子に教えてあげれる大切なことは

立ち直る力。

それこそが生き抜く術。 

勉強でも世渡りでもない。何があってももまた前を向いて進める力。

 

 

 

弱ってる時にまた、読みたい一冊。

誰かの宝は誰かのゴミ

 

ずっと欲っしていたもの。

だけど本当にいるのか? と問われると即答できないもの。

 

そう思いながら、買い時をまんまと逃し続けてるものはないだろうか?

 

わたしにとってのそれが今日ついに手に入った。

 

3年越しの思い。

 

それがこちら

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鈴木啓水さんの【三体筆順字典】

以前は、図書館で資料として貸し出し可だったこちらの辞典。

2年前からは閲覧のみ可で、貸し出し不可になってしまっていた。

買うほどでもないけど、文字の書き方について調べる時にあれば便利なんだよねー。手元に置くのを夢見ていた辞典。

 

この辞典とてつもなくでかい。重い。太い。

そしてちょっぴりお高い。

 

これらがネックとなり、欲しいと夢見ながらも、いる?いらない?の自問を繰り返すこと気づけば三年も月日がたっていた。

 

“自分のため” という名目で物を買うのがなんだか後ろめたい。

特にこの辞典ったら、100%自分の趣味の世界のものだから。

 

が、しかし2日前今までで1番欲しい! の衝動が突然やってきた。

ソファーに座っているときピピっと買いたいと電気が走ったのだ。

 

その熱が瞬間的にピークにまで達しこの度やっと購入にいたっわけなのだ。

 

鈴木啓水さんは、あのユーキャンペン習字のテキストに見本になるほど素晴らしい字を書くお方。

 

本屋さんで他の先生方の美文字レッスン的な本も何冊か買ったけど、わたしは鈴木啓水さんの書く文字が好きなのだ。

 

どこか品があって、少し男性的な雰囲気をもちキリッとしている。

先生が書くみたいな文字で自分のノートや手帳、手紙を埋めたいなといつも思っている。

 

そして、これが手元にあればいつか叶う。

 

「この辞典があれば、一生遊べんねん。」

自慢気に披露しても、家族はポカン…。

 

子ども、主人にこの辞典がいかに素晴らしいかを説いてもあまり共感を得れない。

 

いいの。

私の最高の1人遊びなんだから。

 

 

時々よぎる。

人の興味の対象の不思議について。

 

ある人にとってはとてつもなく価値のあるものが、別の人からみたら不要物でしかなかったりする。

 

主人の数々の謎のコレクション物が、わたしには何かの塊にしか見えない。

 

わたしの夢の辞典も彼からしたら、枕にもならない不要物オブ不要物かもしれない。

 

とにかく今日はわたしにとっての宝物が今日増えたんだから、こんな嬉しいことはない。

 

この辞典の素晴らしさを共に語り合える人にリアルに会える日が来たら、嬉しくてきっと泣いてしまう。

 

夜の時間

 

クーラーをつけながら、窓を網戸にして大胆に開ける。

これをわたしの中で贅沢づけと呼んでいる。

 

クーラーの冷風と自然の風を感じる窓辺での1人時間。

 

冷えすぎず、暑すぎない。快適な室温。

 

目の前の窓から見えるのは、黒色の広い空。

 

わたしの中の究極の癒しの時間。

 

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リビングでは皆がガヤガヤしている。

家族みんなが集まるその輪から1人スーーっとノーコメントで外れて自室に篭る。

 

こうして極たまに、みんなと足並みを合わせず1人別行動をしたくなる。

 

そんな事が許されるのは子どもたちがずいぶん大きくなったからか。

 

1人になって考えたいことが多い。

読みたいものが多い。

書きたい事が溢れる。

 

今日を振り返る。

 

心を痛めながら、その痛みにこれまた塗り込まれるような悲しき追いうちを思いだす。

その気持ちに折り合いをつけたかった。

 

いつもポジティブ!感謝!感謝!なんて…

無理やり良い想念で自分を満たそうとしても、無駄だどいうことは嫌というほど経験済み。

 

そんな時は一旦、とことんその痛みを消化できるところまで鬱積した思いを書き出す。そしてじっくり味わう。

味わい尽くして感情を冷静に傍観する自分が現れたらそっと思考を止める。

 

大きく呼吸を繰り返し自分の心を鎮める。

 

ポイントは誰の手も煩わせない。誰かに機嫌を察知させない。

自分の中で発生から消化まで担うこの方法を取得してから、ずいぶん安定の時間が長くなった。 

 

それでも怪しい雰囲気になりかけたときは早めに対処。

 

嫌なことが、続いてしまう。生きてたらそんな日がたまーにやってくる。

 

まさに今日。

早めの対処を要するタイミングがやってきてしまったのだ。

 

拒否反応からなのか、今日の起き抜けからして、目の様子がおかしい。

二重幅が2.5センチぐらいになっていた。その様からも体が何かを拒んでる感じする。

 

今日のメイクはどうしましょう。

ガチャンピンみたいな目をした鏡に映る自分をみて困ったな…。 

 

4ヶ月ほど前からノーファンで主義に路線変更を果たしている。

その代わり目元、口紅だけはポイントメイクを欠かさないように最後の乙女心を繋ぎとめている。

 

ガチャンピンの目にどう考えてもアイメイクは不要だろうという事で、今日は4ヶ月ぶりにファーデションが登場した。

 

心が冴えないときはせめてもの抵抗で、服や靴、身なりだけは特に気分の上がるものを必ず設定する。

 

どーにかこーにかやり込めるようにいろんな対処を駆使して今日最後の気持ちはうん。大丈夫だ。

 

そこまできってそっと家族の一員へと戻る。

 

一年後の手紙

 

ずいぶん溜まってきた。

 

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一年後の誕生日の自分へ送る手紙と、母と兄弟たちからの一年後のお祝いの手紙。

 

今日の主役は長女。14歳になった。

 

去年の今日に14歳の長女へ書いた手紙を出してきてみんなで開封してケタケタと笑いあう。

 

子どもたちの1年分の成長が文やレイアウトからも伝わる。

 

漢字が増えて、文字が水色のカラーペンからシャーペンへ変わっていたり、添えられた絵のクオリティが高くなっていたりする。

 

 

今ハマっているもの。今の時間。空模様。

今年の誕生日プレゼントの内容から、誕生日のディナーメニューの詳細など。

 

記録にもなる。

我が家の宝物。

 

忘れたくないような家族の日常がそこに記してあった。

 

今年の長女の誕生日プレゼントはサンダルとしおり。

 

たくさん本を読んで欲しい母の願いを込めて。

 

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おめでとう。ありがとう。

 

天才と言われる人

 

オードリー・タン

彼女のファンなのです。

 

「自由への手紙」を読んでから。

 

こんな天才と同じ時代を生きてる。それだけでも勇気が湧いた。

それが丁度、コロナ禍のピークのは真っ最中であったから、余計に希望を感じたのだ。

 

どんな苦境にいても今、出来うる最善はなにか。どうした、人の役に立てるのか。

 

与えられた天才的な才能を私欲のために1人かかるのではなく、その才能を人のために使いたいと熱望する姿勢。

 

頭の良さだけではない彼女の内面をもっと知りたくて手にしたのはこちら。

 

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この本は、気鋭の台湾人コラムニストとジャーナリストの2人がオードリー・タンに現地取材を重ねて執筆されたもの。

 

幼少期から天才児と言われ、IQが高すぎて同じ歳の子どもたちと学習のレベルが合わない。

 

異端児をよく思わない大人の目。

同級生からの嫉妬。いじめ。家庭不和…。

華やかな経歴の裏に隠された厳しい環境と数々の苦悩。

 

自分の天才的才能に闇があることを知っていた。

 

彼女は天才児のいく末を本から学んでいたのだ。

 

2割の人が社会と馴染めず、人と軋轢を生んでしまうこと。

その孤独な心が犯罪、もしくは追い詰められて自殺へと向かわせてしまう事実を。

 

 

そこに行ってはいけない。

天才である自分を俯瞰することを忘れなかった。

 

14歳で学校という場から自らリタイアを決意。

父は頭の良い彼女に大学進学、学者の道を望んだが、彼女は独学でITを学び、その世界ならパイオニアになれると父を説き伏せ自らの道を歩き始める。

 

そして本当にその世界の第一人者になったのだ。

 

この本を読んでますます好きになった。

 

後半のQ&Aも物凄く面白かった。

天才と言われる彼女のセルフメンタルケアの方法や、子ども時代に家庭教育で最も影響を受けたものなどなど…

 


へーぇとかふーんとか唸りながら、ノートに書きながら読み終えた。

 

遠い所にいる天才の彼女を少しだけ近くに感じることが出来た本。

 

 

可愛いは正義

 

近所の商業施設での一コマ。

 

とある店先の軒下の方に携帯を掲げて群がる人々。

 

野次馬根性を駆り立てられ、進行方向とは逆にもかかわらずその群れに引き寄せられる。

 

見上げた軒下に可愛いつばめの家族が3羽。

かっかわええーー。

 

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群衆のカメラ攻撃に応えるべく、愛くるしい姿を披露。

あえて3羽肩を並べてるようにも見える。

 

そこで、勝手な想像が膨らむ。

長らく餌を探し求めて戻らない母鳥の帰りを今かと待ちわびる子つばめに見えたりする。

なんとく健気な演出を想像することで、その可愛いが増す。

 

誰かが善意でぶら下げだ赤の水玉の傘もそれを一層引き立てている。

 

 

みんな求めているのだ。

癒しを。そして可愛いを。

 

単純に可愛いは、癒しなのだ。

 

雨の多いこの季節

洗濯は乾かん…。髪の毛どうなってるの言いたいボリュームを出してくるし、油断すると食べ物はすぐ痛む。

自転車での移動はとても困難になり、締め切った窓のせいでなんとなく澱む部屋の空気。

 

不足を思うと留まることはないけれど、

 

雨の日にこんなささやかな光景が小さな笑みを心に生む。

 

小さくていいのだ。

とにかく笑えれば。

 

まるでウルフルズ