変わる価値観
一昔大流行りしたYAWARA覚えてる?
何故か、今になって主人が突如としてそのYAWARAに激ハマリ。GYAO!で全編視聴制覇! の真っ只中。
当時、普段漫画の類は一切読まない父でさえYAWARAは買っていた。それほど一斉を風靡していた。
父の影響とアニメ放映もされていたことから私もYAWARAが大好きだった。
ストーリーもさることながら柔ちゃんの他を寄せつけない圧倒的強さとcuteなルックスがいいのだ。
一見して、柔道とは無縁そうな華奢な女の子がオール1本勝ちで日本選手権制覇の快挙は子どもから見ても痺れた。
昔から面白かったけど、今見ると3周ぐらいグルングルンまわって面白いだけじゃなくセンスがとにかくいい。
レトロPOPな雰囲気が何ともオシャレ。音楽も、ファションも、CMに入る前の表題のネオンカラーの配色もいちいち全てが可愛い。
登場人物も全員個性が強め。
その中の1人、柔ちゃんのライバルさやかお嬢様の魅力には今更ながら初めて気がついた。
子どもの時はあのわがままっぷりと高飛車な性格が大嫌いだった。
美貌、お金、あらゆるスポーツを制覇し全てを兼ね備えたスーパーお嬢様さやか。
いつも充足感を一心に求めている。
それは単にわがままなお嬢様だけではなく、生きがいを探しもがくダークヒロイン。
退屈感の中で熱くなれるものに日々飢えている。
そんな時に出会ったのが柔ちゃんであり、柔道なのだ。
負け知らずのさやかお嬢様の心にメラメラと火がついてからは、そのどこまでも貪欲に勝ちこだわる姿勢がかっこいいのだ。
一方の柔ちゃんはかつては大好き一択だったけど、今みると少しイラッとする部分がある。
自ら望んだことでは無かったとはいえ、祖父の小五郎による幼少期からの柔道英才教育を受けてきた柔ちゃん。向かうところ敵無しのスーパーエリート。
なのに恵まれた柔道の才能に環境にも微塵も感謝さず、普通の女の子にになりたがる。
さやかお嬢様をはじめ他各国のライバルたちの誰もが望む柔道のトップに君臨しながらもそこには柔道への愛はないのだ。むしろ家族をバラバラにする気かっけとなった柔道を恨んですらいる。
違うよ。柔ちゃんよ。
神に与えられた環境と才能に大いに喜びなさいよと大人は思うのよ。そりゃ何かの1番になるのは容易いことでは無い。その分犠牲もある。が、それを差し引いても柔ちゃんの環境はやっぱり感謝に値いするのよと言いたい。
なりたくてもなれない人。持ちたくても持てない人がいる中で、何においてもある!ということは素晴らしいことなのだよと。
まぁ、結局は周りがその才能の放棄を許さず、良きライバル、仲間に出会い恋なんかもしながらバルセロナオリンピックを目指す柔ちゃん。
40歳にして見るYAWARAは当時とはまた違った印象だ。が、どちらにしてもとっても面白いことに変わりはない。
ほんでもって見ていてホーーっと思ったのが時代の変化。
バルセロナオリンピックまではなんと柔道女子は正式なオリンピック競技では無かったこと。知らなかった…。
他にも作中でのスポーツ記者の松田とその上司の会話。
スポーツ界ではサッカーのワールドカップもテニスのウィンブルドンも日本人は蚊帳の外発言。
時代は変わったのだ。今や日本のスポーツ界の発展と選手の活躍たるや目覚しい物がある。
つい先日だって、ワールドカップは日本国民を魅了したばかり。
ちなみに漫画はまだまだ序盤でフジコさんの登場やテレシコワとの対戦はまだ先。
よって我が家でもう少しYAWARAブームが続きそう。テレビ画面が占領される予感。
私は明日のワールドカップは見たいのでYAWARAからテレビをお譲り頂けることを願っている。